2017年、印象に残っているコトバがある。
「美術館は、自館で企画した展覧会カタログや教育普及イベントの記録冊子などを関係機関に寄贈することが当たり前となっている。その当たり前が危機になっていて、寄贈するコストが経営的などで負担になっている。」
大学時代、母校の大学図書館には、多くの展覧会カタログが寄贈されていて、リクエスト用紙にかくと、新たに寄贈されたりすることもあった。展覧会カタログは会場でしか購入できなかったり、非売品のものもあったから、展覧会の痕跡を知る記録アイテムとして、活用できる有り難さを感じていた。
だが、昨年そんなコトバに胸が痛かった。
展覧会カタログを必ず数はどうであれ関係機関に寄贈している館はどのくらいあるのだろう?
寄贈は一切せず、自ら購入してくださいとはっきり断る館はどのくらいあるのだろう?
以前寄贈していたけど、今は寄贈はしていませんという館はどういうきっかけなのだろう?
全国の美術館が寄贈をやめて自ら購入してくださいということを宣言したら、美術館としてどのくらいの利益?があるのだろう?それによる影響は?
など、気になることばかり。